新世紀2001年の釣り

 パソコンやiモードといった、ごく身近に存在するIT機器の普及率など、いわゆるデジタル環境の急速な広がりを見るにつけ、なるほど世界は新たな時を迎えているなと認識せざるを得ない。まさに新世紀の幕開けを目のあたりにした心地がする。そんな時代と符号するように、釣りの世界においても、ここへきて色々と目立った変化が出はじめている。

 たとえばそれは、つい最近まで絵空事としか思えなかったキャッチ&リリース(C&R)区間が、ここへきて続々と増えている点。荒廃した釣り場環境を、釣り人と漁協が共に真正面から捉え、新たな保全策を探る道標としても、それは大きく機能しはじめている。


新たなC&R区間が次々に誕生

 漁協主導型の本格的なC&R区間が、日本においてはじめて誕生したのは1997年の6月。つまりごく最近の出来事で、しかも当時は山形県の寒河江川に1ヶ所だけと、はなはだ淋しいかぎりであった。

 だが、一昨年には山梨県の小菅川と群馬県の神流川に、昨年は長野県の太田切川に、そして今年は山梨県の道志川にと、新たな区間が次々と誕生、今やその本数は5河川を数えるまでになった。加えて先日のことだが、かねてから提案を行なってきた岩手県下の漁協の役員さんから連絡が入って、できれば今年の解禁日から「5q規模のC&R区間を設けたいので」、という前向きな話を告げられた。その内容から推しても、間違いなくこの話はまとまると思うので、そうなればC&R区間の増加率は、わずか2年のうちに600%の伸びを示すことになる。

 この他にも、岐阜で1ヵ所、山梨で1ヵ所と、新たに2つの漁協が実施の方向で検討中という話も伝わってきているので、さらなる増加も見込まれる。

 こうした傾向は、いつ行っても釣れる可能性が大という点や、間引きし過ぎると再生産できない魚という生物資源、いわゆる自律更新的資源の保全をはかる意味においても、諸手を挙げて歓迎すべき出来事といってよかろう。

小菅川で再び新たな試みが

 釣り場についての最新情報をもう一つ。
 C&R区間が設けられて3年目に入った小菅川だが、そこを管理する小菅村漁協において、再び新たな試みが検討されつつある。その骨子としては、10月1日から2月末までの禁漁期間中でも一部の区間を解放し、釣りファンに1年を通して小菅川の釣りを楽しんでもらおうというもの。

 在来魚に影響を及ぼさないエリアの選定など、水産試験場をはじめとする専門家にも意見をあおいで打ち出された検討事項だが、もし問題がなければ、今年の禁漁期(10月1日〜3月末)から毎年実施していきたいとしている。

 その場合に対象となる魚種は、産卵期が春以降という理由から、県条令でも釣ることが許可されているニジマスの成魚に限られる。それでは現行の管理釣り場と同じではないか、と思われるかもしれないが、さにあらずで、シーズン中と同じく、日釣り券8百円をそのまま適用するという点で大幅に異なる。3千円も4千円もする管理釣り場の日釣り券と較べれば、はるかに格安だし、しかも釣り場は自然そのままの一般河川なので、雰囲気的にも申し分ない。なによりも、遊漁者へのサービス精神が感じられる小菅村漁協の前向きな取り組み姿勢をまずは買いたい。

 小菅村漁協では、以上の検討事項と共に、C&R区間の拡大、天然魚が生息する上流部に尾数制限エリアの新設、テンカラ、フライ、ルアー各釣り教室の定期開催等も併せて検討されている。

 さて、旧態然とした漁協が多い中にあって、こうして新たな方針を打ち建てはじめた各漁協内部の、いわば意識改革こそが、我々釣り人にとっては誠に歓迎すべき新たな事態であって、釣り界の新世紀を語るに相応しい、実は変化なのではなかろうか。

 こうした釣り界の変化に伴い、我々釣り人に対しても、新たな釣り場環境に対する意識改革を強く求められている点を認識しなければなるまい。是非とも「末永く楽しむために、貪ることなく節度ある釣りを」



2001年1月


解禁直前のテンカラ教室を終えて・・
今年2/25に開催されました
「解禁直前のテンカラ教室」のレポートです。
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