釣りの醍醐味は理屈でなく、あくまで五体で感じ取るもの。 それが解れば解るほど、その道をもっと極めたくなる。
自然回帰だとか,現実逃避だとか、理屈はどうとでも つけられるだろけれど、その前にただ一言「面白い」 と言い切ってしまうほうが、いっそ解りやすい。 自然を感じ、風を聴き、釣り竿を手にして魚と遊ぶ。 面倒な巷は遥か異世界。釣り師にとっては、まさに仙郷。
海に囲まれ、山川草木に恵まれたこの国には、そんな仙郷があまた存在する。 「よくぞ日本に生まれけり」……まさに至言。

絵のように美しい景色というが、馬鹿いっちゃいけない。
毛バリ竿を手にするフィールドはどんな絵よりも素晴らしい。

 ヤマメ

ヤマメという魚は日本の代表的な トラウトだが、山女魚という当て字 が示すように、綺麗な姿態がその特徴。 だが、その猛々しさには比類がない。




  毛バリ
生物はおろか、自然すら絶滅 しかけている現代。 山が山らしく、森が森らしく、 水が水らしく、きちっと存在 する世界……。 今やその価値は計り知れない。


明るい森を流れる川のほとりには、心を愉快にさせる妖精たちが 間違いなく棲みついている。つまり陽性の妖精たちというわけだ。 だから魚や釣り師が集まって、弾む気分が配られる。
山の頂きに降った雨の一滴一滴が山腹 に浸み通り、気が遠くなるような歳月を くぐり抜け、再び大地の一滴となってしたたる。 そして谷川となってやがては海へ。 あまたの生命を育みつつ。


渓愚の世界
プロローグ Action Season Catch & Release