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さて、そのヤマメやイワナたちは今も健在だろうか、と川を覗けば、居る居る。釣り人という最大の天敵が鳴りをひそめたこともあって、瀬といわず淵といわず、至る所で魚の姿が確認できる。釣った魚はすべて川へ戻すことがルールの、C&R区間ならではの光景である。 流れの穏やかな瀬の一角では、早くも一匹の雌イワナによって川底がならされ、 色の違いですぐそれと分かる産卵床が作られつつあった。通常イワナの産卵期は十一月に入ってからが本番。私の見た雌イワナは、ちょっと早熟な個体のようだ。 「これほど多くの産卵床を、こんな下流では見たことがなかった」。土地の古老からそう聞かされたのは、昨秋のやはり禁漁期だった。 初めてC&R区間が設けられた昨シーズンの、それは集大成ともいうべき画期的な出来事であった。 C&R区間を設ける目的のひとつは、川による自力再生産の復活という点であって、つまりはリリースした成魚が行ってくれるであろう自然産卵への期待がこめられている。 昨秋作られた産卵床からは、おびただしい数のヤマメやイワナの稚魚が孵化し、現在も順調に成長し続けている。 そしてこの秋もまた、昨年を上回る数の成魚が残った。まずはヤマメの、後にイワナの産卵行動を、小菅川C&R区間の随所において目にする日も近い。 |
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