2 月  ゾーニングで保全


 長年にわたって魚の増殖に携わってきた東京都水産試験場の加藤憲司さんは、 フライの雑誌(No52)に寄せた「どうすれば釣り場にヤマメ・アマゴが増えるか」 という文中で次のように述べている。 「釣りによるマス類の減耗は非常に大きく、資源保全のためには、河川の利用目的別 区間分け(ゾーニング) と各種の規制が必要です」  その具体案として、「禁漁区間」「解禁区間」「隔年解禁区間」「キャッチ&リリース区間」などを、最も効率よく設定する方法が事細かに述べられている。

 多摩川源流の小菅川を管理する小菅村漁協は、釣り人グルーが提案したC&R区間を一昨年の三月にスタート、それ以降も、将来を見据えた釣り場作りを共に考え、そして実行に移してきた。端緒についたばかりだが、ゾーニングを下敷きとした釣り場環境の保全策である。

 その中の一つが、来る三月三日の解禁日から発効する「尾数制限区間」だ。

 小菅村最奥の人家を過ぎたあたりに堰堤があって、そこから上流一帯のヤマメとイワナはすべて天然魚。尾数制限区間は、その保全を目的としたもので、そこでの釣りは、一人一日五尾までに規制される。

 先月二十日のことだが、小菅村漁協は、釣り人グルー発案で加藤憲司さんを招き、ゾーニングについての勉強会を開いた。漁協のみならず、山梨県水産試験センター、地元養殖組合、観光協会、役場職員、釣り人グループなどからも多くの参加があり、小菅川にマッチしたゾーニングとは何か、という点についての意見交換も併せて行われた。

 後日開かれた漁協理事会において、それに添った具体案が決議され、関係機関との事前協議もすでにはじまっている。

 C&R区間とは、すなわち小菅川全域を睨んだ体質改善のための種苗でもあるわけだが、その根株は、僅かずつではあるけれど、明らかに太さを増しつつ育ちはじめている。


index
back

next