6 月  渓流魚調査に協力を

 「小菅川でのキャッチ&リリース効果を確かめるため、ボランティアとして調査いただける釣り人を募っています。ご協力をお願いします」

 半月ばかり前のことだが、釣りをテーマにした各ホームページに、山梨県水産技術センターから寄せられたそんな依頼文が一斉に掲載された。

 同センター、小菅村漁協、釣り人有志という三者の共同作業によって、ヤマメ、イワナ、ニジマス三魚種千匹の背に、ひとつひとつ標識が付けられて、小菅川のC&R区間に放流されたのが五月二十八日(平成十二年)。「その追跡調査をボランティアで」というのが依頼文の趣旨である。以来ロッドと共に、バインダーを持ち歩く釣り人の姿が目立つようになった。

 漁券扱い所に委託されたバインダーには、調査票と三十センチの定規がセットされていて、標識付きの魚が釣れたらまず全長を測定し、次いで標識番号、魚種、釣法、場所などを記入してもらう。一見簡単そうだが、どうしてこれがとんでもなく骨の折れる作業なのだ。というのも、「魚を生かしたまま川へ返す」つまりリリースという前提があるので、理由のいかんによらず魚には優しく接しなければならない。しかし、釣りたての魚は生きがよくて当たり前であって、暴れるは跳ねるはで、扱いづらいことこの上ない。いきおい釣りを楽しむどころではなくなってしまう。。

 とにかく厄介で割に合わない作業なのだが、ボランティアを申し出る釣り人が跡を断たない。今回のような調査が日本で行われ事例がほとんどなく、それだけにC&Rの効果を示す絶好の機会と認めているからだ。 同一個体の釣獲回数、成長度合、移動距離、生残率など、調査データが示してくれるであろう将来的な指針が、魚と釣り人に多大な恩恵をもたらしてくれるはず、そう信じての行動である。

 県の研究機関、漁協、釣り人の三者が携わっての官民協調という、釣りの世界では希有なムーブメントが、小菅川C&R区間の存在理由をさらに高めた。

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